しゃばけ 畠中恵/新潮文庫
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人にも妖(あやかし)にもこのうえなく優しい江戸の大店の若旦那による連続殺人事件捕物帳。
若旦那・一太郎の前で宴会する妖達が実にほのぼのしていて良い。柴田ゆう氏の描く妖達も可愛らしい。当初バラバラに示されていた謎がやがてつなぎ合さって一つの事実を形作っていくところは、ミステリィの常道をなぞっているように思える。ただ、謎の解決をもたらすのが物知りの妖の長老だったりするところが、ファンタジィの融通無碍なところと言うべきか。しかし、存分に楽しませていただいた。日本ファンタジーノベル大賞受賞者にハズレが少ないのは本当だと思う。