2010年上半期ライトノベルサイト杯

【10上期ラノベ投票/新規/9784048684637】 【10上期ラノベ投票/新規/9784047264885】 【10上期ラノベ投票/新規/9784840134262】 【10上期ラノベ投票/新規/9784798600345】 【10上期ラノベ投票/新規/9784797359367】 【10上期ラノベ投票/既存/9784048683982】…

2008年下半期ライトノベルサイト杯既刊部門

2008年下半期ライトノベルサイト杯の既刊部門に投稿する。 この催しの趣旨は「まだ他人が読んでないだろう本を互いに紹介しあう」ということにあると理解している。けれど狭いライトノベルの枠の中では話題作は大概投票上位に来て新鮮味に欠ける結果になって…

2008年下半期ライトノベルサイト杯新規部門

【08下期ラノベ投票/新規/9784840124980】プリンセス・ビター・マイ・スウィート (MF文庫J)作者: 森田季節,文倉十出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2008/12メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 71回この商品を含むブログ (55件) を見る 年を越え…

原点回帰ウォーカーズ 森田季節/MF文庫J

“十哲”と称される一芸のみに秀でた奇人集団の“薄っぺらさ”を見せられたときには正直戸惑い隠せなかったが、読み終わってみれば前作・前々作同様、自分が望む結果に何度でもトライし続ける女の子の物語。「ビター・マイスィート」のように都市伝説的なホラー…

景気ってなんだろう 岩田規久男/ちくまプリマー新書

一般向け経済書の書き手としても定評がある一流の経済学者が書き下ろした景気変動とその安定化政策について基礎を学べる本。書店棚に時流にあわせて満ち溢れている「危機」本(帯に著者の顔写真が堂々とプリントされている類)のほとんどは信用が置けないの…

緊急改訂 知られていない原油価格高騰の謎 芥田知至/技術評論社

適度な分量で、経済学的視点と原油市場の分析から、原油価格が決定されるメカニズムと最近の高騰の理由を解説する好著。需給メカニズムで価格が決まるプロセスや先物取引の基礎を懇切丁寧に説いているところに、市場取引について全く知識を持たない読者にも…

産業政策論の誤解 三輪芳朗、J・マーク・ラムザイヤー/東洋経済新報社

「日本の産業政策が有効に機能し、高度経済成長に積極的に寄与した」とする「通念」を検証し、それを全否定する。 「通念」の検証にあたって二人の著者は、まず先の「通念」が検証され根拠が示されることなく「自明の理」視されてきたことを明らかにする。そ…

実効為替レート(名目・実質)とそれぞれの関係

http://d.hatena.ne.jp/econ2009/20081024/1224858048 econ2009さんのエントリーの追記に基づき確認してみる。 http://www.boj.or.jp/type/exp/stat/exrate.htm 以下は左の日銀HPからほぼ丸写し 日本円と米ドルをそれぞれ自国通貨として使う二国しかないと仮…

中国低層訪談録 廖亦武/集広舎・中国書店

現代中国の下層社会に生きる人々の本音を聞き語りしたものを綴っている。ヒアリング時期は天安門事件以降の’90年代の各時期にまたがっている。2001年中国で出版されたが、著者の他の著作と同様たちまち発禁処分を受けた。 本書では31人の語り手が登場するが…

ダメな議論 論理的思考で見抜く 飯田泰之/ちくま新書

再読。読むだけ無駄な議論や論考を見抜きスルーするために、以下にメモ。文冒頭の数字は章。はじめに 「誤った」「無用な」「有害な」議論を選りだすことで、より「正しく」「有用な」ものを残してゆくという手法を取る。1.常識は「何となく」作られる ・…

地球温暖化は止まらない S・フレッド・シンガー、デニス・T・エイヴァリー/東洋経済新報社

同じ訳者の「地球と一緒に頭も冷やせ!」(ソフトバンククリエイティブ)が、人間の活動による温暖化が起こっているのを認めたうえでCO2削減が余りに経済的に割りが合わないことを説明するのに対し、こちらは科学的見地に基づき真っ向からCO2等温室効果ガス…

大都市の資格

大都市にはモノと情報が集積し、それを追って人や企業が流入する。交通や文化が発達すると、社会的弱者を許容する余裕と寛容が生まれ、福祉受給者や外国人も引き寄せられる。つまり、都市の拡大によって多様性が増す結果、行政需要やコストも増大するのだ。 …

経済をみるときの視点

規制緩和に限らず、経済をみるときには複眼的複合的な視点が必要です。需要と供給の両方を見ないといけませんし、企業経営者・労働者だけでなく消費者・利用者を、そして既存の人々に開かれている可能性を見なければいけません。規制緩和の問題は、規制緩和…

日本経済再生の処方箋 月刊現代11月号/講談社

「日刊現代」今日発売(Economics Lovers) 日本経済再生の処方箋(月刊現代11月号)(Econviews-hatena ver.∞) 発売日に購入、読了。身近な物価から対外関係までの主要論点を短時間で概観できるのがありがたい。一面的かつ皮相的に経済問題を捉えがちなマス…

半身 サラ・ウォーターズ/創元推理文庫

はじめてのサラ・ウォーターズ。「このミス2004」海外部門第1位以外の予備知識全くなしで読みました。結果的にはそれが大正解。 1874年のロンドン。不幸続きで傷心のマーガレット・プライアは、上流階級の令嬢という身分を活かしミルバンク監獄の女囚獄へ慰…

なぜ、アメリカは崩壊に向かうのか  チャールズ・R・モリス/日本経済新聞出版社

サブプライム問題に端を発した米国の金融危機を信用バブルと断定、その原因についてここ四半世紀間米国主導してきた市場を万能視する保守主義的思潮に求めるものです。 長年、金融界に身を置いていた著者らしく、あらゆる金融商品を証券化しそれに高い格付け…

神様のメモ帳 杉井光/電撃文庫

「ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート」と同時に読んだのがこちら。アリスの喪服姿や「死者の真実を探偵する」といった彼女のセリフからこちらも「死者の記憶」というワードを想起しながら読了。というより、(主要登場人物については)死者こそ出ないも…

ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート 森田季節/MF文庫J

陳腐だけど「新人離れした完成度」という形容が一番よく当てはまる作品。 「タマシイビト」という異界からの来訪者に記憶と生命を狩られ続ける「イニシエビト」。数年を経ずして蘇る「イニシエビト」に関する記憶は人々から失われている。「イニシエビト」が…

最底辺の10億人 ポール・コリアー/日経BP社

本書の意義 これまで一様に「貧しい」と形容されてきた途上国は、「急激にあるいはそこそこに成長する」40億人のいる国々と大部分がサハラ以南のアフリカに集中する「停滞または経済が縮小してゆく」10億人のいる国々の2つに分裂した。本書は後者にスポット…

処刑御史 荒山徹/幻冬舎文庫

1857年冬、三浦半島沖で16歳の伊藤俊輔(のちの博文)は全裸の美少女に襲われる。彼女は、後の朝鮮統監を若い時分に暗殺し日本による朝鮮支配を歴史上ないものにするために、51年後の朝鮮からタイムスリップして来た暗殺者集団「処刑御史」の一人だった……。…

グローバリゼーションを擁護する ジャグディシュ・バグワティ/日本経済新聞社

本書の意義 国境を超えた人・物・金・情報etc.の行き来が拡大していくことは、人々の生活を豊かにするのか? 戦後同程度のレベルから出発し開放経済の優等生となった韓国と閉鎖経済体制を取り続ける北朝鮮それぞれの現在の国情を比較するなら、直感的に肯定…

ライトノベルは衰退どころかまだまだこれからだと思う

前エントリにかこつけて↓最近少し話題の「ライトノベルは衰退するか」の議論について一考。 『ばけらの!』はライトノベル界衰退の兆しなのか、 - 星ぼしの荒野から(8/26) なぜ『ライトノベル業界が危ない』と言われるのか考えてみる 平和の温故知新@はてな …

ぶよぶよカルテット みかづき紅月/一迅社文庫

これは今回のラノサイ杯(2008年上半期)に感謝したい作品。音楽を一端は諦めた少年琢己が、異端の作曲家をこの上なく愛する天才音楽少女トリルと出会い、彼女の音楽と彼女自身に心ひかれてゆく……。もうベタ甘で青臭さいっぱいの青春音楽ドラマが幕を明けます…

いちばんうしろの大魔王 ACT3 水城正太郎/HJ文庫

ISBN:9784894257597 あらすじ 膨大な魔力を持ちながらそれを制御するのが困難を極めるため、学園内で「魔王」候補として恐れられる紗伊阿九斗(さいあくと)。何とか参加の許しを得た臨海学校でも当然のように混乱に巻き込まれる。訪れた先は、阿九斗の一の…

さよならピアノソナタ 3 杉井光/電撃文庫

ISBN:9784048671828 口絵が可愛すぎるぜ。おへそ! おへそ!(Nothing but Electric Empty Text) ↑御意。2巻の水着姿よりそそられたなぁ。 恋を音楽で紡いでゆく青春物語もこれで3巻目。バンド崩壊の危機を何とか乗り越えた夏休み明けの二学期。校内クラス対…

ベッカー教授の経済学ではこう考える ゲーリー・S・ベッカー、ギティ・N・ベッカー/東洋経済新報社

ISBN:9784492312506 今さらながらの読了。’80-‘90年代に書かれた新聞コラムが収められているので、日米構造協議が取り上げられている点などに隔世の感がする。しかし、時代・場所を問わず普遍的に妥当するのが学問的成果の学問的成果たる所以。今日において…

オトナリサンライク 竹岡葉月/ファミ通文庫

ISBN:9784757743649 外国人の血を引くため、コミュニティや少年窃盗団からも弾かれてしまった孤児キーチ。その彼が妖精と人間の仲の取り持ちを生業とする一見奇矯な外見の女の子集団に受け入れられ、人との絆を取り戻す物語。短編4つから構成される。 同じ作…

しゃばけ 畠中恵/新潮文庫 

http://d.hatena.ne.jp/asin/410146121X 人にも妖(あやかし)にもこのうえなく優しい江戸の大店の若旦那による連続殺人事件捕物帳。 若旦那・一太郎の前で宴会する妖達が実にほのぼのしていて良い。柴田ゆう氏の描く妖達も可愛らしい。当初バラバラに示されて…

戦場のエミリー 八薙玉造/スーパーダッシュ文庫 

ISBN:9784086304399 今までの戦闘場面を顧みれば、暗殺などの裏仕事に関わるものばかりで、今回のように日の下での大会戦は初めて。もっとも、その戦闘も謀略によるものなので晴れがましいものではない。 信ずる者に裏切られ、親しい人々をほとんど失った。…

チーズの値段から未来が見える 上野泰也/祥伝社

ISBN:9784396613044 著者は、証券会社のチーフエコノミスト。景気動向から債券・為替市場等の動向を予測し、顧客に情報提供するのを生業としている。民間金融機関系シンクタンクや官庁のエコノミストと比較すると、証券取引所等「経済の現場」により近い所に…