2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

神様のメモ帳 杉井光/電撃文庫

「ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート」と同時に読んだのがこちら。アリスの喪服姿や「死者の真実を探偵する」といった彼女のセリフからこちらも「死者の記憶」というワードを想起しながら読了。というより、(主要登場人物については)死者こそ出ないも…

ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート 森田季節/MF文庫J

陳腐だけど「新人離れした完成度」という形容が一番よく当てはまる作品。 「タマシイビト」という異界からの来訪者に記憶と生命を狩られ続ける「イニシエビト」。数年を経ずして蘇る「イニシエビト」に関する記憶は人々から失われている。「イニシエビト」が…

最底辺の10億人 ポール・コリアー/日経BP社

本書の意義 これまで一様に「貧しい」と形容されてきた途上国は、「急激にあるいはそこそこに成長する」40億人のいる国々と大部分がサハラ以南のアフリカに集中する「停滞または経済が縮小してゆく」10億人のいる国々の2つに分裂した。本書は後者にスポット…

処刑御史 荒山徹/幻冬舎文庫

1857年冬、三浦半島沖で16歳の伊藤俊輔(のちの博文)は全裸の美少女に襲われる。彼女は、後の朝鮮統監を若い時分に暗殺し日本による朝鮮支配を歴史上ないものにするために、51年後の朝鮮からタイムスリップして来た暗殺者集団「処刑御史」の一人だった……。…

グローバリゼーションを擁護する ジャグディシュ・バグワティ/日本経済新聞社

本書の意義 国境を超えた人・物・金・情報etc.の行き来が拡大していくことは、人々の生活を豊かにするのか? 戦後同程度のレベルから出発し開放経済の優等生となった韓国と閉鎖経済体制を取り続ける北朝鮮それぞれの現在の国情を比較するなら、直感的に肯定…

ライトノベルは衰退どころかまだまだこれからだと思う

前エントリにかこつけて↓最近少し話題の「ライトノベルは衰退するか」の議論について一考。 『ばけらの!』はライトノベル界衰退の兆しなのか、 - 星ぼしの荒野から(8/26) なぜ『ライトノベル業界が危ない』と言われるのか考えてみる 平和の温故知新@はてな …

ぶよぶよカルテット みかづき紅月/一迅社文庫

これは今回のラノサイ杯(2008年上半期)に感謝したい作品。音楽を一端は諦めた少年琢己が、異端の作曲家をこの上なく愛する天才音楽少女トリルと出会い、彼女の音楽と彼女自身に心ひかれてゆく……。もうベタ甘で青臭さいっぱいの青春音楽ドラマが幕を明けます…

いちばんうしろの大魔王 ACT3 水城正太郎/HJ文庫

ISBN:9784894257597 あらすじ 膨大な魔力を持ちながらそれを制御するのが困難を極めるため、学園内で「魔王」候補として恐れられる紗伊阿九斗(さいあくと)。何とか参加の許しを得た臨海学校でも当然のように混乱に巻き込まれる。訪れた先は、阿九斗の一の…