神様のメモ帳 杉井光/電撃文庫

 「ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート」と同時に読んだのがこちら。アリスの喪服姿や「死者の真実を探偵する」といった彼女のセリフからこちらも「死者の記憶」というワードを想起しながら読了。というより、(主要登場人物については)死者こそ出ないものの現実で「物言えぬ存在」になった少女の真実を解明しようとする点、こちらの作品の方がよりヘヴィで「死者の記憶」という言葉にふさわしい感じがします。そう言えば、杉井氏の最新作「ばけらの!」(GA文庫)でも「記憶される」ということが登場人物の生死に関わる設定だったという記憶が。触れ合うことで痛みを感じつつもそれでも捨て去ることができないヒトとヒトとの関係を描き続けるのが杉井氏のテーマなのかもしれません。

この作品の書評
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神様のメモ帳 (電撃文庫)

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