大都市の資格

 大都市にはモノと情報が集積し、それを追って人や企業が流入する。交通や文化が発達すると、社会的弱者を許容する余裕と寛容が生まれ、福祉受給者や外国人も引き寄せられる。つまり、都市の拡大によって多様性が増す結果、行政需要やコストも増大するのだ。


 北村亘(阪大) 「国は『大都市』絞込みを」 朝日新聞10月2日夕刊

 ホームレスや生活保護世帯の増加は、もちろん景気回復による全体的な底上げにより対応すべき事柄だが、現時点においてその都市のリソースが他地域と比べて相対的に豊かであることの証でもあるのだ。そして行政需要増大への対応がさらなる需要拡大につながる正のフィードバックを生み出すことをこの小論は言外に示している。
 北村氏はこの後、昼間流入人口が多く人口密集度の高い大阪市を例に出し市民から供される国税・府税の市への全面移管を説いている。